「低ボラ取引」サクッと解説の筈が怪談に
2017/8/20 SUN
8月10日のSNSにアップした「低ボラ取引」。
金融リテラシー云々かんぬんと偉そうなこと書きましたが、
難易度はかなり高いです。
来月22日、29日に講師をさせて頂く、
金融ファクシミリ新聞社様主催による
現役の市場関係者向けセミナーでは、
2回合計で4時間のうち、
残り30分くらいのタイミングで話す予定です。
一般の方を対象に書いた拙著
「世界一カンタンde楽しい!デリバティブの教科書」なら
「低ボラ取引」を紹介しているのは
全254ページ中196ページ目、
大抵の皆さんは、
最初から読んでいかないと理解が大変だと思います。
ただ仕組みは分からなくても、
リスクとリターンを知っているだけで大違い。
オプションというデリバティブを使った金融商品が
世の中にはたくさん溢れているし
「分からないものには近づかいない」
と言っても
向こうから寄ってきますので、紹介しますね。
まず「低ボラ取引」のリターンは
ボラティリティ(=ボラ、変動率)が低いとき、
つまり相場が膠着していれば儲かること。
事故がなければ保険会社が、
掛け捨ての保険料が丸儲けになるのと同じです。
問題はリスク。
相場が一定額を超えて上がるか、
一定額を超えて下がれば、
リスクはほぼ無限大。
賠償無制限の保険を引き受けた保険会社と
同じ立場です、
緩い名前の字面とは大違い、
怖〜いんです「低ボラ取引」は。
ここまで読んだ方の多くは
「低ボラ取引なんて絶対手を出さない」
と思いましたよね。
ところが大手の金融機関では
こっそり低ボラ取引が時限爆弾のように仕込まれた金融商品が
堂々窓口で売られているんですよ。
窓口の女の子は
「高利回りですけど、リスクなんてありませんよ」
と笑顔を振りまいて売りまくっています。
実際かめさん、告発しようと思ったこともありました。
サクッと解説の筈が
怪談みたいな寒〜い話になっちゃいました。
キリがないので今日はこの辺で。