2008/05/30FRI
昨日の朝、このコラムで「モノ言う株主もほどほどに」と書いたら、夕刊で
「アデランス

【注1】

の役員再任、筆頭株主の米国投資ファンド、
スティール・パートナーズ

【注2】

らの反対で否決」とのニュース。
成熟商品である国内男性用かつらの不振などから、
女性用かつらに力を入れてきたアートネイチャーに経常利益で抜かれ、
株価が2割下落、株主の不満が高まっていたことが原因とのこと。
実はスティール・パートナーズは去年、ブルドッグソースの買収劇などで
株主提案を連発し、いわゆる「ハゲタカファンド」として企業側の反発を招いていたんですね。
そこで今年は自社株買い

【注3】

や増配を提言書の形で,
アデランスをはじめとした投資先企業に送り、
他の一般株主にも賛同を求めるなど、ソフト路線に転換していたんですね。

「ハゲタカファンド」といえば、 真山仁さんの小説「ハゲタカ」

【注4】

を思い出します。
この「ハゲタカ」の主人公である米国投資ファンドのトップは実は日本人。
バブル崩壊後、放漫経営で社業を破たん寸前に追い込みながら、
相変わらず贅沢三昧を続けようとする創業者一族を、
ばっさり切り捨てるシーンなんか、本当格好良かったです=^_^=
主人公の日本に対する愛憎が見事に描かれています。

そんな「ハゲタカファンド」の是非は一概には言えないと思います。
ただ言えるのは、こういった外資系ファンドが、
現在の日本を動かしている大きな力の一つになっているという事実。
さあ、かめさんも「ハゲタカ」のDVDをレンタルして、
柴田恭平にしびれようっと=^_^=

【注1】アデランス
東証一部上場、正式社名はアデランスホールディングス。
かつらメーカー首位、証券コード8170
【注2】スティール・パートナーズ
ケイマンに籍を置き、米国を拠点とする投資ファンド。
サッポロビールやブルドッグソースの買収劇で知られる。
【注3】自社株買い
金庫株とも呼ばれる、株主優遇政策の一つ。
市場から自社の株を買い上げることにより、自社株の流通量を減らし、
また資本の減少により資本効率が向上することから株価上昇要因とされる。
【注4】小説「ハゲタカ」
真山仁[2006],『ハゲタカ(上)・(下)』講談社文庫
真山仁[2006],『ハゲタカⅡ(上)・(下)』講談社文庫

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