2008/06/02 MON
かめさん、銀行でファンドマネージャーや為替ディラーをやっていましたが、
若い頃(25年くらい前ですね)は、
住宅ローンの窓口を1年半くらいやっていたことがあります。
事務処理能力のないかめさんはフーフー言いながら書類の山に埋もれていましたが、
当時の住宅ローンは固定金利が中心でやっと変動金利が出てきた頃。
融資条件も銀行によって差がなく、今に比べるとかなり単純だったと思います。
それでも、実際の審査になると個人個人の借入条件や物件は千差万別で、
定型外となる場合が多く、やはり経験というかノウハウが必要なんですよね。
で、現在の住宅ローン。
25年前に比べると、金利一つとっても選択肢がたくさんありますよね。
固定金利にしても固定期間を選択可能だし、
変動金利も銀行によってばらばら。
ましてや、固定金利と変動金利で二つの住宅ローンを組む
「ミックスプラン」まであるとなると、組み合わせは多分無限大、
選ぶ方も困っちゃいますよね(^^ゞ
でも、問題が複雑になればなるほど大切なことは、
細かいことに惑わされずに物事の本質をつかむこと。
固定金利と変動金利の本質は、 金利上昇リスク
【注1】
を銀行がとるか、消費者がとるかです。
いうまでもなく、固定金利の場合は銀行に金利上昇リスクがあり、
変動金利の場合は消費者に金利上昇リスクがあります。
銀行がリスクをとるからには必ず見返りを求めます。
保険会社が保険を引き受ける時、必ず保険料という見返りをもらうのと同じですね。
なので、固定金利の場合は、
固定金利の中に保険料が含まれていて、割高な金利になっています。
「そっかー、じゃ消費者にとっては変動金利の方が得なんだ」
と思われたみなさん、ここまでのかめさんの話をよく理解して下さっていまね、
ありがとうございます<(_ _)>
でも、もう一つ考えなければいけないことがあります。
それは変動金利の金利上昇リスクが理論上無限大だということ。
住宅ローンの金利を決める基礎になる10年国債の金利ですが、現在は1.8%くらい。
でも高いときは10%を超えていたとき
【注2】
もあったんですよ。
住宅ローンの金利が10%になんかなった日には、
そりゃもう大変ですよね(汗、汗、汗・・・(^^ゞ)
これまでの話をさくっとまとめると、固定金利はローリスクローリターン、
変動金利はハイリスクハイリターンということ。
どちらを選ぶかこりゃ難しいです。
そんな難しいことを解き明かそうというのが金融工学。
面白いですよ=^_^=
【注1】金利上昇リスク
銀行は預金でお金を集め、一定の金利を上乗せして住宅ローンを貸して儲けます。
ただし、金利が上がると預金の預け入れ期間が短いので、
預金金利だけが上がって固定金利の住宅ローン金利を上廻ってしまい、
銀行が損をする状態になってしまいます。
逆に変動金利だと預金金利が上昇しても、住宅ローン金利も上昇して、
銀行の儲けはそのままで、多くの住宅ローン金利を払うことになる
消費者が損をすることになります。
これが、金利上昇リスクです。
【注2】10年国債の金利
1980年頃、61国債(ロクイチコクサイ、と読みます)の暴落で、
10%を超えたことがありました。