2008/06/08 SUN
NY原油先物市場が1バレル140ドルに迫り、年内に200ドルの声も。
昨日の日経プラスワンのアンケートでは、
「ガソリンが200円ならマイカーを手放す?」とい質問に対して、
YES(手放す)が368人、NO(手放さない)が3,087人と圧倒的に
手放さない人が多いんですね。
よって、原油先物市場のとおり石油の値段が上がり続ければ、
生活への影響は甚大なはずです。
70年代に起きた石油ショックのような
インフレ率が年10%をはるかに超えるような事態も心配されますよね。
ところが・・・・
物価連動国債という満期時に受け取る元本が物価上昇に連動する国債があるんですが、
この物価連動国債の相場からはじき出した、
マーケットが予想するインフレ率はわずか年0.4%、
石油ショックの頃に比べたら微々たるもんですよね。
アメリカやドイツなどの賃金上昇も落ち着いており、
原油先物市場と他の市場のインフレ予想が大きく食い違っています。
インフレ率というのはほぼ金利と連動する性質をもっていますので、
原油をはじめとした商品市場、債券市場などに大きな影響を与えます。 なんでこんなことになっているんでしょう?
一般には原油先物市場に投機資金が流れ込んで、
バブルが発生している、という見方が有力です。
ただ、これはもう半年以上前から言われ続けていることで、
そう言われながら原油先物価格は倍になっちゃたんですよね、たはは(^^ゞ
なのでもう原油先物価格は下がるだろうと予測して売り続けている人は、
大損をしていますし、破産したような人もいるでしょう。
きのう書いた金融工学の世界では、
アービトラージ(日本語では「裁定」と呼びます)取引で、
他の市場のインフレ予想に影響される格好で、
割高な原油先物が売られて、
原油価格は下がるはずなんですけどね。
やっぱり、原油先物市場のように、
短期間で売買する資金が多いマーケットでは、
心理学の要素が大切なようです。