2008/06/12 THU
今日の日経朝刊マーケット総合面のコラム”大機小機”では
150兆円の年金積立金の運用について提言がされています。
要旨は
①最近5,6年の公的年金の運用利回りが3%強にとどまっており、
5-9%の諸外国と比較して低い。
②利回りアップのため株式などの
ハイリスク資産の比率を高めるべき。
③上記施策の実現のためにプロの組織に
資産配分や運用評価を委ねる。
という内容です。
たしかに、私たちが日ごろ年金問題を考える場合、
年金未払いや国民負担など入り口問題が主となり、
途中過程の運用については議論されることが少ない気がします。
仮に運用利回りが1%上昇すれば1兆5千億円の増収となり、
2,200億円の社会保障費問題は解消できちゃいます=^_^=
よって、かめさんも十分議論する価値があるテーマだと思います。
結果、私たちが受け取る年金や支払う保険料に
大きな影響を与えるわけですから(^^ゞ
だけど、今日のこの大機小機を書いた吾妻橋というPNの方は、
失礼ですが資産運用についてはアマチュアの方だとお見受けします。
せっかくの着眼点なのに、かめさんから見ると、
いま一つ説得力に欠ける提言になっています。
今日はその理由だけ列挙しておきます。
①最近5,6年の運用利回りで比較していますが、
年金の性格上少なくとも20年以上のデータで
比較すべきだと思います。
②諸外国との比較では、
インフレ率を控除した実質利回りで比較すべきだと思います。
③国債以外の資産運用を外注し競争させるとありますが、
国債でも2年国債は0.7%、20年国債は2.4%と
利回りに大きな開きがあり、
国債運用の巧拙も運用成果に大きな影響を与えます。
以上このコラムのちょっと?な点を挙げましたが、
方向は正しいと思います。
折角の提言ですから、より精緻なデータや施策案をもとに、
今後活発な議論が起きることを期待するかめさんでした。