2008/06/17 TUE
昨日このコラムで取り上げた米国4位の大手証券会社リーマンブラザース、
3−5月の決算が1994年上場以来初の赤字転落との記事。
赤字幅は3000億円、今年に入って買い増した
住宅ローン関係資産の評価損が大きいとのことです。
昨日書いた丸紅絡みの詐欺事件による
損害賠償請求額98億円の影響はそんなに大きくはないのでしょうが、
読売でも「経営手法疑問視される」と言っているように、
なに焦ってんの?と思っちゃいますよね。
リーマンブラザースは、サブプライムで破たんした
同じく米国大手証券会社ベアスターンズより
順位が一つ上の米国証券第4位。
思い出すのは日本の証券大手4社の万年4位だった
山一証券の破たんですよね。
1997年11月に破たんした直接の原因は「飛ばし」と呼ばれる、
値下がりした有価証券を会計上隠す取引だったんですが、
実は1965年の証券不況で日銀特融を受けた頃まで
その根っ子がさかのぼれた、と言われるんですね。
金融機関というのは一発逆転が難しく、
業界内の序列が業績にそのまま反映しやすい業界です。
去年TBSでキムタク主演で華麗なる一族が放送されていました。
その中で阪神銀行(現在の三井住友銀行の源流の一つ
神戸銀行がモデルといわれています)が都市銀行間の順位を一つでも上げ、
合併されるのを避けるために預金獲得競争に狂奔し、
支店長が心臓麻痺で亡くなるシーンがありましたよね。
金融機関というのは、こんな風に業界内の順位一つが
存亡にかかわるようなところがあるんです。
その辺がヒット製品一つで
業界に地殻変動が起こりうるメーカーと違うところです。
山一證券の破綻を描いた本を読みながら、
山一の焦りを感じたことが何度もありましたが、
リーマンブラザースにも同じようなことが言えるのではないでしょうか?
こんなこともあって、読売によれば、業界5位のベアスターンズに続いて
4位のリーマンブラザースにも再編の可能性があることを伝えています。
厳しい(>_<)の一言ですね!