2008/07/07 MON
数日前の読売新聞の「転ばぬ先に」という連載で、
ある弁護士の方が”資産あるのに「融資だめ」”
というタイトルで、認知症の父親の後見人である息子さんが、
父親名義の自宅を担保に父親名義で
父親の生活費の融資を受けようとして、
公的機関、信託銀行、銀行の3者から
融資を断られた話を憤りを持って書かれていました。
様々な事情から資金を必要とされている方が
困られているのは本当にお気の毒だと思います。
ただし、この弁護士さんをはじめ一般の人たちも含めて、
銀行、特に担保に対する誤解があるように見受けられますので、
元銀行融資担当者として一言書いておきたいと思います。


まず、タイトルにある”資産あるのに「融資だめ」”
という事態は申し訳ありませんが頻繁にあります。
資産=担保と考えて差し支えないと思いますが、
「銀行は融資が滞ったら担保を処分すればいいじゃないか」
という声を聞くことがよくあります。
でも、これが誤解の始まりです。
融資の返済が滞った場合、担保を処分して現金化し、
返済に充当するまでに長い期間と労力と費用がかかります。
担保処分で融資を返済させようとすると、
ほとんどの場合は、
返済不足が生じることになるのが現実です。


また、銀行は融資したお金を返済してもらい、
そのお金をまた別の人に貸して、
お金を回転させて、儲けていきます。
今回のように返済するお金は
最終的に自宅を売却したお金しかないような場合は、
銀行としてはお金が回転せず、避けたいのです。


「ふん、銀行ってやっぱり冷たいんだな」
という声が聞こえてきそうですが、そのとおりだと思います。
今回のケースは詳細が分からないのでうかつなことは言えません。
ただ、言い方は酷ですが、銀行を頼るより公的支援の問題だと思います。


で、読者のみなさんにとって必要なことは、
こういった現実、リスクを直視して老後の準備をしておくこと。
これこそが、連載タイトルにあるように
「転ばぬ先に」ということになると思います。

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