2008/07/08 TUE
先週米国ゼネラルモータース(GM)の株価が
54年ぶりに10ドルを割り込み、
兜町でも株価の先行きに懸念が広がる一因に。
米国自動車メーカー・ビッグスリーのうちフォードを除く、
GM、クライスラーの二社については、金融機関が
資金繰りに行き詰まる可能性を指摘するなど
懸念が広がっています。
経営悪化の要因は言うまでもなく原油高。
70年代終わりの第二次石油ショック時、
三菱自動車がクライスラーを救済したことが思い出されます。
今回も日本の自動車メーカー主導の業界再編も
ささやかれていますが、どうなるでしょう。
かめさんとして気になるのは、
ここ10年で米国と日本の株価連動性が
急激に高まっていること。
専門用語では相関係数という数字を使うのですが、
この相関係数が0.2以上上昇しており、
これは昔からの投資理論を
根底から覆すぐらいのインパクトがあります。
昔は米国の株価が下落しても、
日本の株価への影響は今よりはかなり小さかったんですね。
ところが、この10年の相関係数の上昇は
日米運命共同体という表現がぴったり。
この影響は自動車メーカーサイドから見ると、
米国ビックスリー(クライスラーは非上場ですが)の
株価下落が日本メーカーの株価下落をもたらし、
日本メーカーの体力も低下することを意味します。
また、投資家サイドから見ると、
昔は日本と米国の株に分散投資しておけば、
米国の株が下がっても日本の株で取り戻せる確率が
現在より高かったのですが、
今は米国が下がったら日本も下がると思って
差し支えないでしょう。
このため、10年以上前の国際分散投資の理論は
当てはまらなくなっています。
いずれにせよ、原油高が続く限り
GM株の動向からは目が離せませんね。