2008/07/14 MON
我が家の日曜夜の定番はNHK大河ドラマ・篤姫。
かめさんはこれまで大河ドラマ=お年寄りみたいな偏見もあって、
あまり見たことがなかったんですが、
上の娘に引っ張られるような感じで、今回は6,7割方みています。
見どころはたくさんあるのですが、
確か第一回のスタートは、篤姫が嫁入り道具を積んだ船で
薩摩から京に上るシーンだったと思います。


以来何度も感じるのが、薩摩と中央との距離!
ネットで調べると、薩摩ー江戸の水路と陸路を併用した
参勤交代に要する時間が70日余り。
薩摩藩にとっては財政負担が過酷であった反面、
この距離があったおかげで倒幕の力を蓄えることができたようです。


例えば篤姫でも出てくる琉球との抜け荷(密貿易)。
薩摩からの輸出品は奄美でとれる砂糖キビを原料とした砂糖が主力。
この砂糖が京や江戸でも珍重されたのは想像に難くありません。
でも、江戸との70日余りの距離は半端じゃありませんよね。
砂糖の輸送ももちろんですが、お金の支払はどうしてたんでしょう?
元銀行屋のかめさんは夜も眠られなくなっちゃいます(^^ゞ
というのは冗談で、江戸時代から「為替」の仕組みがあり、
ちゃんと機能していました。
このコラムでも「為替」という言葉はちょくちょく出てきますが、
現在は「為替」というと、通貨の交換を指すことが多いですよね。
例えば、外国為替相場、なんていうと、
円とドルやユーロの交換比率を言います。
でも、元々は遠く離れた場所同士で
お金を使わずに支払いを済ますことを「為替」といいます。


江戸の幕府御用商人・虎屋が
羊羹を作るために薩摩藩から砂糖を買うとします。
虎屋は砂糖が手に入ってからお金を払いたいですよね。
でも薩摩藩は砂糖を江戸に送ったらできるだけ早くお金が欲しい。


そこで登場するのが大阪の札差(ふださし)という銀行の元祖。
薩摩藩から砂糖を送ったよ、という連絡が入ると、
大阪は堂島にある札差自身の米蔵から
薩摩藩の米蔵に砂糖代金に相当するお米を移し、
薩摩藩は砂糖代金を受け取ったことになります。
それから約70日後に虎屋から砂糖を受け取ったよ、
という連絡を札差が受け取ると、
虎屋が指定した旗本や幕府の米蔵から札差自身の米蔵に
砂糖代金に相当するお米を移し、支払は完了します。
実際にはほとんどお米は移動させずに、
帳面上の移動だけなんですけどね。
札差は手数料のほか、お金を立て替えていた
約70日分の利息を稼ぐことができますし、
帳合米取引と呼ばれる世界で最初の
本格的なデリバティブ取引も盛んに行われていました。


この仕組みは現在の国際金融も全く同じ。
違うのは、”運送と通信”にかかる”時間とコスト”。
交通手段やインターネットなど通信手段の発達で
”時間とコスト”は劇的に進歩しています。
資産運用の世界では株式手数料なんかが安くなりましたよね。
でもなくならないのが国境と通貨の違い。
鹿児島と東京の間に国境と通貨の違いはなくなりましたが、
日本から一歩外に出ようとすると
残念ながらコストとして私たちに跳ね返ってきます。
ユーロのような世界が広がるといいんですけどね=^_^=

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