2008/07/31 THU
サブプライムショックの影響から元気がない自動車業界。
ゼネラル・モータース(GM)の株価が56年ぶりに
10㌦を割ったのは今月8日のこのコラムに書いたとおりですが、
その後86年ぶりの無配転落も明らかになり、
悲観論が勢いを増しています。
わが日本の自動車メーカーも北米市場の停滞に加え、
少子化や若者の車離れによる国内市場の縮小などから、
株価は冴えません。
そんな折、今朝の日経に小さな扱いで
「08年上半期の自動車輸出が前年比12.7%増、
上半期としては22年ぶりに過去最高を更新」との記事。
地域別にみると、アジアが4割強増え、
特に中近東やオセアニア向けが過去最高になった、とのこと。
円高にも関わらず、原油価格高騰や通貨高で
購買力が増した国々への輸出が
業績を下支えしていることをうかがわせます。
戦後一貫して日本経済を支えてきた自動車産業ですが、
仮にサブプライムショックが20年前に起きていたら、
どうなっていたでしょう。
国内生産→北米向け輸出の比率が現在よりはるかに高く、
米ドル安・米国経済低迷の影響をもろにかぶり、
現在と比較にならない打撃を被っていたのは間違いありません。
自動車摩擦という外圧もありましたが、
海外生産を地道に増やし、
現在は国内生産と海外生産がほぼ均衡しています。
これによって円高リスクを軽くし、
輸出相手国も多様化することによって
リスク対応力を飛躍的に高めてきました。
現在の自動車各社の株価が買い時か、
かめさんには分かりません。
ただ、リスクを分散しながら、
グローバル経済の成長を取り込むためには、
常に注意を払っていくべき業種の一つです。