2008/09/18 THU
15日のリーマン・ブラザース破たんにつづき、
昨日は保険で世界最大手のAIGが米国政府の管理下へ。
かめさんが予想したようにリーマン・ブラザース破たんの影響が
限定的なものにとどまるか、まったく予断を許しません。
今年3月のベア・スターンズ救済から始まった今回の金融危機、
米国当局のダブルスタンダードが非難されています。
特にリーマン・ブラザース関係者は納得がいかないことでしょう。
ただ、ほんの数日でリーマン・ブラザースを切り捨て、
AIGに救いの手を差し伸べた決め手は
昨日のこのコラムで指摘したようにデリバティブの負の連鎖。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれる
保証機能を持ったデリバティブを中心に
今朝のテレビによればAIGは60兆円のデリバティブ残高を抱えており、
仮にAIGが破たんした場合の世界経済への影響回避が
救済の決め手になりました。
民事再生法を申請したリーマン・ブラザースの日本法人も
デリバティブ取引の残高確定を急ぐ、との声明を発表しています。
昨年の世界のデリバティブ残高は5京円以上といわれ、
株式市場や債券市場の残高と桁が1つ違います。
最近でこそ落ち着いてきた原油価格高騰もWTIと呼ばれる
ニューヨークの原油先物市場、
デリバティブ取引が引き金となったといわれています。
今や世界経済を語るためには、
デリバティブの知識が必要不可欠です。