2008/06/03 TUE
今日の日経1面トップは「自動車輸出23年ぶり最高」
資源国向けが拡大しているそうです。

紙面最上段の輸出先国別のグラフを見ると、
1985年は半分以上が北米向けだったのに比べて、
2007年は北米向けが40%以下に減少し、
その分中東・中南米の資源国向けが増加しているのがよく分かります。
日本の自動車メーカーが国際分散投資をすすめ、
そこに最近の資源高が重なってこういった結果になっているようですね。
日本国内の販売台数は少子化の影響もあり最近ピークを打ったといわれています。
加えて、原油高から国内景気が低迷し、
その分を原油高などで潤う資源国の需要で埋める、
まさに国際的なリスク分散です。

翻って、最近の個人資産運用では国際分散投資が流行りの半纏のようです。
しかし、個人投資家と呼ばれるみなさんが、
どれだけリスクを理解して国際分散投資をしているのか、
はなはだ心もとなく思うことが多々あります。
FX

【注1】

しかり、外貨預金しかり、外国債券投資しかり。
単なるギャンブラーになっている投資家のみなさんが多そうですよね。

為替リスクばかりではなく、カントリーリスク

【注2】

についても
各自動車メーカーは「見極めが難しいため、欧米のように現地生産にはとらない」とのこと。
ましてや個人レベルでのカントリーリスク把握は不可能です。
もちろん、投資信託を利用した国際分散投資も可能ですが、手数料がネックです。
そこで、かめさん流の国際分散投資は、
国際分散投資をしている日本企業株を買って国際分散投資を実践します。
もちろん、トヨタでも1円円高になれば利益が400億円吹っ飛びます。
ただ、トヨタは為替ヘッジだけではなく、現地生産や第三国生産、円建て輸出など、
個人では絶対不可能なリスク対応策をとって利益を上げています。
同じようなことが他の様々な輸出メーカー、商社、海運など多くの企業にいえます。
また、株式投資の手数料は投資信託に比べて安く、
機関投資家などと比較した差もほとんどありません。

国際分散投資は絶対必要ですが、闇雲にリスクをとったり、 証券会社を儲けさせるだけ、といった投資はもう卒業しませんか?

【注1】FX
証拠金(保証金)を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行なう取引をいう。
「通貨証拠金取引」、「外国為替保証金取引」などともいう。
FXとはForeign Exchange=外国為替の略。
金融庁ホームページによれば、
「少額で取引できる反面、差し入れた保証金以上の多額の損失が生ずるおそれのある,
非常にリスクの高い取引です。
そのため、リスクを認識した上で、
自らの責任で適切な投資判断を行うことが必要です。」とされている。
【注2】カントリーリスク
海外投融資や貿易を行う際、対象国の政治・経済・社会環境の変化のために、
個別事業相手が持つ商業リスクとは無関係に収益を損なうリスクを指す。
GDP、国際収支、外貨準備高、対外債務などのほか、
当該国の政情や経済政策も加味して判断される。

2008/06/02 MON
かめさん、銀行でファンドマネージャーや為替ディラーをやっていましたが、
若い頃(25年くらい前ですね)は、
住宅ローンの窓口を1年半くらいやっていたことがあります。
事務処理能力のないかめさんはフーフー言いながら書類の山に埋もれていましたが、
当時の住宅ローンは固定金利が中心でやっと変動金利が出てきた頃。
融資条件も銀行によって差がなく、今に比べるとかなり単純だったと思います。
それでも、実際の審査になると個人個人の借入条件や物件は千差万別で、
定型外となる場合が多く、やはり経験というかノウハウが必要なんですよね。

で、現在の住宅ローン。
25年前に比べると、金利一つとっても選択肢がたくさんありますよね。
固定金利にしても固定期間を選択可能だし、
変動金利も銀行によってばらばら。
ましてや、固定金利と変動金利で二つの住宅ローンを組む
「ミックスプラン」まであるとなると、組み合わせは多分無限大、
選ぶ方も困っちゃいますよね(^^ゞ
でも、問題が複雑になればなるほど大切なことは、
細かいことに惑わされずに物事の本質をつかむこと。

固定金利と変動金利の本質は、 金利上昇リスク

【注1】

を銀行がとるか、消費者がとるかです。
いうまでもなく、固定金利の場合は銀行に金利上昇リスクがあり、
変動金利の場合は消費者に金利上昇リスクがあります。
銀行がリスクをとるからには必ず見返りを求めます。
保険会社が保険を引き受ける時、必ず保険料という見返りをもらうのと同じですね。
なので、固定金利の場合は、
固定金利の中に保険料が含まれていて、割高な金利になっています。
「そっかー、じゃ消費者にとっては変動金利の方が得なんだ」
と思われたみなさん、ここまでのかめさんの話をよく理解して下さっていまね、
ありがとうございます<(_ _)>
でも、もう一つ考えなければいけないことがあります。
それは変動金利の金利上昇リスクが理論上無限大だということ。
住宅ローンの金利を決める基礎になる10年国債の金利ですが、現在は1.8%くらい。
でも高いときは10%を超えていたとき

【注2】

もあったんですよ。
住宅ローンの金利が10%になんかなった日には、
そりゃもう大変ですよね(汗、汗、汗・・・(^^ゞ)

これまでの話をさくっとまとめると、固定金利はローリスクローリターン、
変動金利はハイリスクハイリターンということ。
どちらを選ぶかこりゃ難しいです。
そんな難しいことを解き明かそうというのが金融工学。
面白いですよ=^_^=

【注1】金利上昇リスク
銀行は預金でお金を集め、一定の金利を上乗せして住宅ローンを貸して儲けます。
ただし、金利が上がると預金の預け入れ期間が短いので、
預金金利だけが上がって固定金利の住宅ローン金利を上廻ってしまい、
銀行が損をする状態になってしまいます。
逆に変動金利だと預金金利が上昇しても、住宅ローン金利も上昇して、
銀行の儲けはそのままで、多くの住宅ローン金利を払うことになる
消費者が損をすることになります。
これが、金利上昇リスクです。
【注2】10年国債の金利
1980年頃、61国債(ロクイチコクサイ、と読みます)の暴落で、
10%を超えたことがありました。

2008/06/01 SUN
商社株が高い。
先日も業界首位の三菱商事

【注1】

が上場来最高値を更新しました。
日経平均が最高値の3分の1程度であることを考えると、これは驚きかも。
いうまでもなくBRICs

【注2】

をはじめとした世界経済の発展を取り込んだ形での株価上昇は、
商社株を国際分散投資の一貫としてみているかめさんとしてはうれしいです=^_^=

今朝の日経の書評欄でも「スシエコノミー」

【注3】

という本の中で
日本人と米国人の「トロ」や「ウニ」に対する価値観の違いを利用して、
日本企業が儲けている話が紹介されていました、フムフム。
ただ、今はフォローの風が吹いている商社も、
総合商社不要論なるものがこれまで何度となく言われてきているんですよね。
この「総合商社」なる事業モデルが日本独自なこともあって、
今後どうなっていくのか門外漢のかめさんには残念ながら分かりません。
ただ、かめさんが銀行で為替ディラーをやっていた頃、
当然商社さんとの取引が多かったんですが、
やっぱり商社マンは銀行マンとは比較にならないエネルギーを持っていますよね。
特に感じたのが、
ある東証一部上場の商社から独立した人たちの会社に融資したときのこと。
商権が上場企業から離れて、
その独立した人たちにそのままついていくことには驚かされました。

かめさんも銀行をやめましたが、
預金や貸出がかめさんについてくる、なんて絶対あり得ませんからね。
商社の場合、信用がマン・ツー・マンなんですね。
それに比べて、銀行員だったかめさんの信用は、
当たり前だけど銀行の看板があって初めて成り立つものでした。
株が上がっているから言うわけじゃありませんが、
男なら、生まれ変わって、商社マンで勝負してみたくなっちゃいますね=^_^=

【注1】三菱商事
東証一部上場の総合商社、業界首位、証券コード8058。
東京三菱UFJ銀行、三菱重工と並ぶ三菱グループの中核。
2008年3月期はエネルギー部門などの好調に支えられて、最高益更新。

【注2】BRICs

経済発展が著しいブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を合わせた4カ国の総称。
国土面積で世界の29%、人口で42%を占める。
【注3】「スシエコノミー」
サーシャ・アイゼンバーグ[2008],The sushi economy
(小川敏子訳『スシエコノミー』日本経済新聞出版社,2008年)
〜かめさんはまだ読んでいません<(_ _)>

2008/05/31 SAT
モノ言う株主が2日間続いて、「今日はそろそろ別の話題を」なんて考えていたら、
今朝の日経1面に「野村、欧州で再生ファンド」の記事。
再生ファンド≒ハゲタカファンド≒モノ言う株主ということで話題は尽きませんね。

1989年大納会の日経平均史上最高値38,915円をピークに、
青い目に攻められっぱなしだった黒い目日本が、
久しぶりに、ちょっとアウエーに攻め込んでみようかな、という感じですか。
もっとも、日本の金融界が欧米に比べればサブプライム問題の傷が浅かったおかげで、
カウンターを仕掛けることができそう、というのが本音でしょうね(^^ゞ

たまたま、同じ日経の大機小機(マーケット総合欄2)で、
17世紀から明治維新後まで大阪にあった米先物市場を取り上げていました。
豪商、淀屋の店先の路上で始まった米市は世界の先物市場の先駆けとなり、
井原西鶴の日本永代蔵にも登場するんですね。
他にも、明治に欧米の金融システムが移入された際、
手形や為替という既存の言葉があったので違和感がなかった、とのこと。

今はやりの金融工学やデリバティブは、
元々は日本人が得意とする分野だと思います。
確かにアポロ計画終了で職を失ったロケット科学者たちが
ウォール街

【注1】

に流れ込んで、
金融工学を発展させ、日本は米国に20年の差をつけられた、と言われます。
しかし、「伊藤の定理」で有名な伊藤清京大名誉教授

【注2】


米先物市場の例を持ち出すまでもなく、
日本人は十分この分野で世界で戦う能力を持っていますし、
20年あった差は縮小してきている、とも言われています。

野村も「モノ言う株主」として、活躍を期待しています。

【注1】ウォール街
ニュヨーク証券取引所がある、アメリカの金融の中心地。
【注2】伊藤清京大名誉教授
1915年生まれの数学者。
オプションの価格評価方程式であるブラック=ショールズモデルの
算出の基礎となった確率微分方程式は「伊藤の定理」とも呼ばれ、
金融工学に多大な貢献をした、といわれる。

2008/05/30FRI
昨日の朝、このコラムで「モノ言う株主もほどほどに」と書いたら、夕刊で
「アデランス

【注1】

の役員再任、筆頭株主の米国投資ファンド、
スティール・パートナーズ

【注2】

らの反対で否決」とのニュース。
成熟商品である国内男性用かつらの不振などから、
女性用かつらに力を入れてきたアートネイチャーに経常利益で抜かれ、
株価が2割下落、株主の不満が高まっていたことが原因とのこと。
実はスティール・パートナーズは去年、ブルドッグソースの買収劇などで
株主提案を連発し、いわゆる「ハゲタカファンド」として企業側の反発を招いていたんですね。
そこで今年は自社株買い

【注3】

や増配を提言書の形で,
アデランスをはじめとした投資先企業に送り、
他の一般株主にも賛同を求めるなど、ソフト路線に転換していたんですね。

「ハゲタカファンド」といえば、 真山仁さんの小説「ハゲタカ」

【注4】

を思い出します。
この「ハゲタカ」の主人公である米国投資ファンドのトップは実は日本人。
バブル崩壊後、放漫経営で社業を破たん寸前に追い込みながら、
相変わらず贅沢三昧を続けようとする創業者一族を、
ばっさり切り捨てるシーンなんか、本当格好良かったです=^_^=
主人公の日本に対する愛憎が見事に描かれています。

そんな「ハゲタカファンド」の是非は一概には言えないと思います。
ただ言えるのは、こういった外資系ファンドが、
現在の日本を動かしている大きな力の一つになっているという事実。
さあ、かめさんも「ハゲタカ」のDVDをレンタルして、
柴田恭平にしびれようっと=^_^=

【注1】アデランス
東証一部上場、正式社名はアデランスホールディングス。
かつらメーカー首位、証券コード8170
【注2】スティール・パートナーズ
ケイマンに籍を置き、米国を拠点とする投資ファンド。
サッポロビールやブルドッグソースの買収劇で知られる。
【注3】自社株買い
金庫株とも呼ばれる、株主優遇政策の一つ。
市場から自社の株を買い上げることにより、自社株の流通量を減らし、
また資本の減少により資本効率が向上することから株価上昇要因とされる。
【注4】小説「ハゲタカ」
真山仁[2006],『ハゲタカ(上)・(下)』講談社文庫
真山仁[2006],『ハゲタカⅡ(上)・(下)』講談社文庫

2008/05/29THU
新宿コマ劇場が今年いっぱいで閉鎖とのニュース。
学生時代はあのあたりを結構ウロチョロしてましたが、
最近は怖くて近付けない雰囲気もありますね。
その辺も経営不振の一因かな?

目を西に向ければ食堂「大阪名物くいだおれ」が7月8日に閉店。
これで、サッカーワールドカップや阪神優勝の際に、
道頓堀に投げ込まれて有名になった、
食い倒れ人形の去就も注目されていますね。
今日の日経文化面で女性社長が語っていますが、
59年に現在のビルを新築した当時、運転資金が不足し、
銀行に融資をお願いにいったところ、
「あんな人形があると売上に響く」と言われたけれど、
先代の社長が
「あの人形があるからお客様が安心して来るのや」
と頑張って、事業を軌道に乗せた、とのこと。
かめさんも身につまされますね。
銀行時代、経営不振のお客様に対して、
一生懸命勉強してコンサルティングをしましたが、
やっぱり机上の理論でしたよね。
かめさんの話を聞くお客様側も、
メイン銀行だから話を聞いてくれますが・・・(^^ゞ

目を外に向ければ、 英国投資ファンドTCIによるJパワー

【注1】

株買い増し要求が
日本政府による中止勧告を受けた件。
TCIはこれを不服として、英国政府やEUにも働きかけているようです。
でも実はTCI、英国ファンドといいながら、
タックスヘイブン

【注2】

に籍を置いており、
英国政府から
「我が国に貢献していないファンドを守る必要はない」
とすげなくされた、とのこと。

どんなに理屈をつけても、
本人が思っている以上に本音が傍から見えるもの。
「モノ言う株主」

【注3】

もほどほどに、が良いようで。

【注1】Jパワー

  東証一部上場、電源開発が登記社名で、水力発電を中心に電力各社に電気を卸売すことが主業務。英国の投資ファンドであるチルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)から配当増額などの株主要求を受けていた。

【注2】タックスヘイブン

  本国での徴税を免れるための租税回避地で、マネーロンダリング(犯罪で得た不法資金を資金移動を繰り返すことにより合法化する行為)などに利用されることも多い。カリブ海のケイマン、バハマなどが有名。

【注3】モノ言う株主

    持合い株主や友好取引先株主などの安定株主が経営陣の意に沿うことが多いのに対して、配当請求など株主の権利を声高に主張する株主を「モノ言う株主」と呼ぶことがある。村上ファンドなどが代表例。

2008/05/28WED
今朝の読売1面トップはNHK職員が勤務時間中に株取引。
元はと言えばインサイダー取引の問題なんですが、今日は別の切り口で。

かめさんの学生時代、すでに就職していた競馬好きの先輩いわく
「いやー就職すると忙しくて、
競馬のノミ屋

【注1】

に電話しているひまもなくなっちゃったよ。
仕方ないんで、職場から電話で
”4-5金”、”1-6飛車”とか将棋の話をするふりして、
ノミ屋で馬券買ってるんだ。
亀谷、社会人は大変だぞー」
NHK職員が勤務時間中に株取引をやっている記事を読んで、
この先輩の話を思い出しちゃいました。
先輩の職場も、まあ、随分おおらかというか、緩いというか、
居心地のよさそうな職場ですが、NHKもいい勝負なんでしょうね。

で、30年くらい前にも思ったのですが、
この先輩の職場では競馬の話はご法度だけど将棋の話はOKなんですかね?
やっぱ、競馬はギャンブルだからNG、
将棋は確か文部科学省の所管で文化だからOK?
競馬も農水省所管ですが。
じゃ、株は・・・・・?
問題は”勤務時間中”という点なんでしょうが、
記事によれば5千回以上、1日平均7回以上も取引していた職員もいた、
ていうんですから、こりゃ、もう立派な中毒、ギャンブル依存症ですね。

昔から株はギャンブル?投資?という議論があります。
将棋も真剣師というギャンブルの対象になる勝負があったりするので、
一概には言えませんが、100%ギャンブルだという人は、まずいないと思います。
これは、たぶん将棋は実力が上の人が勝つ確率が
きわめて高いせいだと思います。
では、株の場合はというと実力が上の人が勝つとは限りません。
有名な、サルにダーツ投げで投資させてもプロに負けない研究

【注2】

があるくらいですから。
じゃ、やっぱり株はギャンブル?

かめさんの考えはこうです。
株はやりようによってはギャンブルにも投資にもなります。
具体的には投資期間が短いほどギャンブルに近い投資、いわゆる投機になります。
これは「リスクプレミアムと時間と経済成長」で説明できるのですが、
このコラムでは紙数の関係からカットします。
実はかめさん、競馬、麻雀、totoをはじめギャンブル大好っこです。
でも、株をギャンブルに近い投資、いわゆる投機でやるつもりはありません、
時間とお金の浪費なんで(^^ゞ

【注1】ノミ屋

  競馬などのギャンブルで、電話などによりお客の馬券注文を受け、違法に胴元を務める私的組織をノミ屋と呼ぶ。暴力団の資金源になっているケースが多い。

【注2】サルにダーツ投げで投資させてもプロに負けない研究

   Malkiel,Burton G.[2007],A Random Walk Down Wall Street(井出正介訳『ウォール街のランダム・ウォーカー』日本経済新聞出版社,2007年)P19,P206

2008/05/27TUE 今朝の読売新聞をぺらぺらめくっていくと、

”秋田県で”という白抜きの見出しの一部が目に入ってきました。
わがふるさと秋田がニュースになると、最近はいいことがありません。
近いところから、鳥インフルエンザ、比内地鶏偽装、畠山被告の連続殺人・・・
いつか、日経の一面に秋田市の写真が、と思ったら、
シャッター商店街の代表で、商店のシャッターが閉まり人通りが閑散としている、
秋田の広小路がどーんと載っていました。
時価下落率日本一を争っているんでしょうがないですけどね、とほほ(涙)

閑話休題、今日の記事は
「秋田県が条例で、65歳以上に対する飛び込み営業を禁止することを検討」
というものでした。
5千円以下はokなのですが、元本が保証されていないものはすべて禁止、
当然各業界から猛烈な反発が出ているようです。
一言でいうと、地域経済が停滞する、というもの。

かめさんの考えはこうです。
①まず、訪問する業者側が消費者の不信感を招かないよう、
最大限の努力を続けること。
今回の条例案の背景にはおととし、米国商品先物オプション

【注1】

という奴で、
二十億円以上の被害がでたことがあったようです。
はやりのFX(外為証拠金取引)

【注2】

でも金融庁が注意喚起をしているホームページは、
検索エンジンで調べても40位以下でしかでてきません。
これより上位のページはFXいけいけのページがずらりと並んでいます。
行政処分を受けるFX業者が続出していますが、どうなちゃうんでしょうね。
昨日もロコ・ロンドンと呼ばれる金の証拠金取引業者が摘発されましたけど。

②消費者も自分の身は自分で守るため、もっと勉強すること。 オプション取引というのは、デリバティブ

【注3】

の王様ともいわれ、
ある程度の知識が必要になります。
仮にきちんと契約書を作るとなると通常は数十ページに及び、
一般の消費者が理解するのはむずかしいと思います。

①も②もごく当たり前のことです。
でも、当たり前のことを辛抱強く続けていくことが大切だと思います。
例えば選挙違反。
民主主義の先進国イギリスでも100年以上前の選挙違反はひどかったそうです。
でも、時間をかけて一つ一つ法律を整備していって、
少なくとも地球上最もクリーンで厳しい現在の制度を作り上げました。
民主主義は時間とお金がかかります。
でも、一見遠回りに見えても、結局それが最善の道である、
と考えるかめさんでした。

【注1】先物オプション

・先物取引とは現物取引に対して、未来の取引についてある価格での取引を約定すること(予約)をいう。

・オプション取引とは、ある原資産について、あらかじめ決められた将来の一定の日または期間において、一定のレートまたは価格で取引する権利を売買する取引である。

・今回の米国商品先物オプション取引の実態は不明。

【注2】FX(外為証拠金取引)

証拠金(保証金)を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行なう取引をいう。「FX」、「通貨証拠金取引」、「外国為替保証金取引」などともいう。FXとはForeign Exchange=外国為替の略。金融庁ホームページによれば、「少額で取引できる反面、差し入れた保証金以上の多額の損失が生ずるおそれのある非常にリスクの高い取引です。そのため、リスクを認識した上で、自らの責任で適切な投資判断を行うことが必要です。」とされている。

【注3】デリバティブ

一般に金融派生商品、と訳されているが、内容はリスクの移転であり、取引形態には、先物、スワップ、オプション及びこれらの組み合わせ(スワップションなど)がある。

2008/05/26MON

今朝の日経に
「日生、07年度3位、4割減、首位陥落 顧客開拓進まず」の見出し。
「おー、生保業界も大激震か」と驚くかめさん。
確かに記事の中身を見ても、
日生が通期で新規契約高の首位を明け渡すのは戦後初のようです。

生保業界のような成熟し、かつ巨大な業界で、
トップが入れ替わるというのはよほどのこと。
何があったんだろうと記事を見ていくと、
保険金不払い問題で既契約者の訪問活動に追われためとあります。
日生に代わり首位に立った第一生命、第二位の住友生命も、
同じ理由で二ケタの落ち込みとなっているそうです。

で、最も注目は
「落ち込みが大きくなったのは、既契約者の訪問活動に際して、
顧客ニーズに合わせて新規の契約より死亡保障の減額や
医療保険などへの転換契約をすすめたことが大きい」との件。
かめさんも去年生命保険の見直しをしたばかりだけれど、
生保さんも変わってきたんだろうな、と感じます。
特に外資中心のカタカナ生保がネットなどを通じて
医療保険なんかを伸ばしているのも大きいんでしょうね。
日本の生保さんも、いつまでも
GNP、義理(G)と人情(N)とプレゼント(P)の営業に
頼ってばかりいられず、
ビジネスモデルの変更を迫られているのでしょう。

生命保険もリスクとリターンの世界、
資産運用の枠組みの中でどう考えていくか、
課題は山積です。

08/05/25SUN

今朝の朝日新聞によれば、
香港のオフィス賃料が3年間で3倍になっている、とのこと。
香港ドルがUSドルとのペッグ制(≒連動制)をとっているため、
米国の利下げがダイレクトに跳ね返り、
不動産バブルが発生しているんですね。
加えて、土地がすべて政府所有なことも
賃貸料のふれ(=リスク)を大きくしている一因かな?
とかめさんは想像しています。

日本の不動産価格もふれが大きいです。
でも賃料というのは不動産価格そのものよりは安定している、
というのが日本の常識だったんだけど、これからは怪しくなっていくかもね。
例えば、去年1年間のREIT(不動産投資信託)

【注1】

の値下がり率は、
株価の値下がり率より大きく、
ミドルリスク・ミドルリターンというREITの商品特性に、
ちょっと?が付いたたとこですから。
やはり、REITも資産担保証券(ABS)の一種ということで、
米国のサブプライムローン

【注2】

関連商品の例を持ち出すまでもなく、
不動産マーケットはもちろん、
金利や為替なんかの影響を受けますからね。
実物不動産もこれまで以上にマーケットの影響を、
ダイレクイトに受けていくようになるでしょうね。

かめさん流のリスク分散投資では、
不動産投資ももちろん重要なポジションを占めていますし、
今後もREITはポートフォリオ

【注3】

に組み入れていくべきと考えていますが、
リスク動向は要チェックです。
早稲田大学大学院の川口有一朗先生の不動産金融工学

【注4】

なんかを
もっと勉強していきたいと思っています。

【注1】REIT(不動産投資信託)

不動産からの収益を投資家へ還元する不動産投資信託をいい、日本における上場REITは投資法人の形式を採用している。日本では2001年2銘柄でスタートして以来順調に残高を増やしてきたが、サブプライム問題で新規発行が停滞している。当初はオフィスビルが中心であったが、集合住宅など投資対象の多様化がすすんでいる。 【注2】サブプライムローン

アメリカ合衆国で貸し付けられたローンのうち、優良顧客層(プライム層)向けでないものをいう。主に担保付き住宅ローンを指し、他のローンと比べて信頼度が低いといわれる。2007年夏頃から延滞率が上昇し、このローンを組み入れた金融商品価格の下落から世界的な金融不安を起こしている。

【注3】ポートフォリオ

「紙ばさみ」を意味する英語portfolioに由来し、ファイナンス(金融経済学)の分野では資産構成を意味する用語として使われる。1970年代に「モダンポートフォリオ理論」と呼ばれるリスク管理手法が確立されてから、一般的に使用されるようになった、と言われる。

【注4】金融工学

狭義にはファイナンスの分野においてリスクを計量化しようとする学問をさす。ただし、最近では心理学的要素も含んだ広い意味で使われることも多い。

2008/05/24 SAT

「世界の先物

【注1】

分散投資ファンド残高が5年で4倍」、
との昨日5月23日日経夕刊の記事。
NYの原油先物が連日のように最高値を更新している今日この頃なんで、
「ふーん」くらいに読み飛ばしそうになって、記事の最後で目が止まりました。
「原油なども対象とした日本の商品ファンド

【注2】

は8か月連続で残高減少」
何これ?
かめさんは腕を組んでなやんでしまいましたよ。
世界中の投資資金が商品に集まって、原油高の負の影響が深刻になっているのに、
何で日本だけ?
何もしなくても価格上昇で残高が増えるはずなのに?

確かに商品ファンドは手数料が高めですが、
手数料に無頓着(皮肉です=^_^=)な日本の投資家が、
投信より1%くらい高い商品ファンドの手数料を今更気にするとは考えづらいし・・・・・???

実は昨日の夕刊を見てからずっと気になっていたんだけど、さっきやっと分かりました。 「犯人はFX(外為証拠金取引)

【注3】

だ!」と。

つまり投機資金が商品ファンドからFXに移った、と推測されるんですね。
商品とFXは投資家も投機色が強い点で重なっているケースが多く、
販売会社も両方扱っているケースがままあるんですね。
理由はいつか機会があったら説明しますが、昨今のFXブームをせせら笑っているかめさんとしては、
「また勉強不足の日本の投資家が口車に乗せられて」とため息をついているわけです。
まあ、これだけ新聞やマネー雑誌、インターネットでFXの広告を見ると、
商品から目移りしちゃうんでしょうけどね
もちろん、商品を買っておけば、FXより儲かっていたのに、という結果論じゃないですよ。
投資家のみなさん、説明を鵜呑みにする前に、まず自分で勉強しましょう!

【注1】先物

現物取引に対して、未来の取引についてある価格での取引を約定すること(予約)をいう。
期待リターンの割引現在価値で資産評価を行い、為替先物予約、日経平均先物、債券先物、商品先物、原油先物などがある。
【注2】商品ファンド

 金、原油、穀物、金属などいわゆる商品に投資するファンドの総称で、投資形態としては投資信託だけではなく、匿名組合、リミテッド・パートナーシップなども利用される。

【注3】FX(外為証拠金取引)

証拠金(保証金)を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行なう取引をいい、「外国為替保証金取引」などともいう。FXとはForeign Exchange=外国為替の略。金融庁ホームページによれば、「少額で取引できる反面、差し入れた保証金以上の多額の損失が生ずるおそれのある非常にリスクの高い取引です。そのため、リスクを認識した上で、自らの責任で適切な投資判断を行うことが必要です。」とされている。

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株式会社かめや投資経済研究所では、いずれの金融機関からも独立した独自の視点でのんびり、ゆっくり行く長期分散投資のノウハウを、金融工学やデリバティブの視点も交えて、分かりやすくお伝えしています。

日記・コラムは、マネー情報を中心とした「MONEY DIARY」とプライベートを中心とした「つれづれ日記」の二本立て。株、債券、為替、不動産、金、オルタナティブ、投資信託など資産運用の参考にするも良し、食う、蹴る、読む情報などから、かめさんになじむも良し。ご質問、ご意見、ご感想いつでも大歓迎です。

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