2008/07/13 SUN
「オーストラリア人の落書きグループを入国拒否」
という新聞記事を最近見かけました。
オーストラリア人のグル−プが電車の車体などに
派手なアートぽい(書いた本人たちはそう思っている)落書きを
するために何度か来日していたのが分かり、
入国を拒否されたんすね。
別に政治的な背景がある訳ではなく要は愉快犯。
「落書きは自分ちの塀にでもして、
ママンにお尻ペンペンされていろ!」
と思うのはかめさんだけじゃないですよね?


逆にフイレンツェにある世界遺産で日本人が落書きを残して大騒ぎ。
謝罪に行ったら、親善大使に任命されたりしてまたニュースに。
でもテレビで謝りに行った女子大生の顔が映されないのはなぜ?


世界を股にかけての落書き、
そんな目くじら立てるほどのことじゃないかも。
でも、原油高騰で航空運賃の4割は原油代金の昨今。
こんな幼稚な落書きがなくなるなら、
原油300ドルもいいな、
と思っちゃうかめさんでした。


ははは、と笑っている読者の皆さん、皆さんの中にも、
国際分散投資とかいって金融機関に踊らされている人いませんか?
金融機関にとって国際化は膨大な時間とコストと労力がかかります。
それを取り戻すためにお客さんから、
いろんな形で手数料をいただくのは当然のこと。
日本人が日本で投資する場合、
日本に投資するのと、
地球の裏側に投資するのとで同じコストなはずがありませんよね。
国際分散投資は大切。
でも、きちんとコストを考える癖をつけましょうね、みなさん=^_^=

2008/07/12 SAT
 昨日、おとといとは駅のKIOSKを見るとスポーツ紙の1面が
「山本モナと巨人・二岡、ラブホで不倫」
の記事で埋め尽くされていました。
片や男問題からキャスターに復帰した初日、
片や華の巨人軍の選手会長が
明日一軍に復帰しようかという日に、
なにも好き好んで五反田のラブホで・・・・・(^^ゞ
「路上で揉めるのも目立つと思いやむなく入りました」
「中でお酒を飲んだだけで、
他には何もなかったと天に誓って申しあげます」
ってあーた・・・・
テレビ、新聞、週刊誌の芸能記者の方々にとっては、
山本モナ様はマリア様のような存在でしょうね、
柳の下にどじょう、鴨がネギ背負って・・・・たはは。


おかげで件のラブホは満員御礼、
と写真付きで今朝のスポニチ。
でも、ラブホ従業員の話によると、
普段からこんなもの、とのこと。
そうなんです、ラブホは儲かるんです。


脱税業種上位の常連さんですし、
かめさんが銀行にいたころ、
ラブホ建設資金の話があったんですが、
確かに儲かりそう。
でも、少なくとも当時は「風紀上問題がある」とかで×。
銀行によっては
積極的に融資することもあるらしいですけどね。


経営する側からすると、
確かに少しやましいとこはあるけど儲かる。
でも、銀行がなかなかお金を貸してくれない、
というんで生まれたのが、その名も「ラブホ・ファンド」。
ネットによると予定利回り8.4%と高配当。
ただし、途中換金しようとすると、
思ったとおりの値段で売れないことも多そうですし、
先日の岩手・宮城内陸地震で投資対象のラブホの一つが
被災地域にあったとかで、
典型的なハイリスク・ハイリターン商品。
以前、投資雑誌なんかにも紹介されたことがありましたが、
ま、慎重なご判断を=^_^=

2008/07/11 FRI
今朝の朝日新聞で「物価高でごはん食復活?」の記事。
この見出しを見て
「へへ、かめさんは今月1日のこのコラムでもう、
お米銘柄として永谷園を取り上げてるもんね」
と余裕を見せようかと思ったら、
朝日新聞では永谷園と並んで
エスビー食品とハウス食品を取り上げているではないですか。
そう、カレー・ルウのメーカーです。
あたー、今月1日、かめさんは
「四季報、日経会社情報でお米銘柄を調べると、
これが永谷園以外見当たらないんですね。」
ときっぱり、はっきり書いちゃっています。
がーん、お米復権からお茶漬けしか連想が働かないなんて、
頭固いぞ、かめさん(^^ゞ


風が吹く→砂が飛ぶ→砂が目に入ってめくらの人が増える
→めくらの人の職業として三味線弾きが増える
→三味線の皮に使われるネコが減る→ネズミが増える
→ネズミにかじられる風呂桶が増える→桶屋が儲かる、
といった”風が吹けば桶屋が儲かる”的な
連想ゲームが大切な投資の世界。
現にかめさんも今月1日
「小麦やパンが値上がりし始めた頃に、
お米復権を連想して買うぐらいでないと」
と書いています。


今日の記事によると、朝食での「お米」「パン」の割合は、
2年前からお米復権のきざしが、というデータも。
正直このデータからお米銘柄を買うのは無理があるかな、
と思います。
また、エスビー食品、ハウス食品共に
お米復権が株価に結びついているか微妙です。
でも、アンテナを張り巡らせ、連想を働かせる知的ゲーム、投資。
かめさんも頑張って勉強を深めていきたいと思います。

2008/07/10 THU
昨日のこのコラムで”耐用年数をとっくに過ぎて、
帳簿の上ではタダ同然のはず”の
大阪・道頓堀名物「くいだおれ太郎」君、
昨晩ネットで検索していたら、
文楽人形仕様になっているので製作費1千万円とのこと。
確かに50年以上たって帳簿上は減価償却なんかで、
ただ同然になっているかもしれませんが、
おみそれいたしやした<(_ _)>
それにしてもブランド価値(=のれん代)
9億円近くはすごいっす。


ま、この9億円が高いか、安いか人それぞれでしょう。
10億円で買いたいという人がいるそうですから。
でも、納得がいかないブランド(=のれん)も
たくさんあります。


例えば、中国産うなぎの産地偽装。
新聞によれば「中国産も日本産も味は全く同じで、
区別がつかないため、偽装は簡単」とのこと。
じゃ、中国産と日本産の値段の違い
(=ブランド価値=のれん代)は何なの?
という素朴な疑問。


もう一つ、かめさんは?だけど
皆さんはどうよ?という奴。
昔、S堂化粧品の幹部の方が公の場で
「うちの製品も、他の国内ブランドの製品も
材料費や技術は同じ」とおっしゃってました。
それじゃ、お店での値段のあの違いは何よ、
とつっこみたくなるのはかめさんだけ?
ま、この値段の差がブランド(=のれん)です、
というのが会計学や経営学の答えなんすけどね。


今日のつれづれ日記はこんなもやもやを
少しすっきりさせるお話し。
どうぞ読んでいってくださいな=^_^=

2008/07/09 WED
フジテレビの特ダネ!をはじめ、各局では、
昨日大阪・道頓堀名物の大衆食堂「大阪名物くいだおれ」が閉店し、
看板人形の「くいだおれ太郎」とともに
約60年の歴史に終止符が打たれたニュースを流しています。
正直、女将そっくりの人形の顔は見飽きたなぁ、
という感じのかめさんですが、
関西大学宮本教授の試算によると
閉店効果は9億円とのこと(スポニチ)!
この店確かファミレスなんかに押されて、
売上不振から閉店を決めたはず。
9億円も稼げば考えも変わる?


同じチャンネルでも、名古屋・矢場とんのみそかつが
韓国でそっくり真似られて、商標権侵害で訴えるとか。
他にも産地偽装うなぎなどのニュースが
連日話題になってますが、
これらはみーんな”ブランド”のお話し。


”ブランド”というと、特に女性のみなさんは
グッチ、シャネル、プラダ、ルイ・ヴィトンetcを
思い浮かべると思いますが、
形はないけどお金を生み出すものすべてを
経済の世界では”ブランド”と呼びます。
日本でも昔から”のれん”を守る、
なんて言い方がありましたが、
あの”のれん”と同じですね。


「くいだおれ太郎」君も誕生したのが半世紀以上前のため、
耐用年数をとっくに過ぎて、帳簿の上ではタダ同然のはず。
これは、少なくとも1年前は「くいだおれ太郎」君が
9億円も稼ぐなんて誰も思っちゃいませんでしたから、
仕方ないんです。
というか会計の限界ですね。
でも、9億円を稼ぎ出す「くいだおれ太郎」君を
「帳簿上ゼロ円だからただで譲ってくれ」と言われて
ただで譲る人はいませんよね。
ましてや、「くいだおれ太郎」君で
これからもっと稼げるんじゃないか?
なんて考え始めると、夜も眠られないですね(^^ゞ
この辺が今月3日にもこのコラムで書いた、
ヒト・モノ・カネの評価の難しいとこです。

2008/07/08 TUE
先週米国ゼネラルモータース(GM)の株価が
54年ぶりに10ドルを割り込み、
兜町でも株価の先行きに懸念が広がる一因に。
米国自動車メーカー・ビッグスリーのうちフォードを除く、
GM、クライスラーの二社については、金融機関が
資金繰りに行き詰まる可能性を指摘するなど
懸念が広がっています。


経営悪化の要因は言うまでもなく原油高。
70年代終わりの第二次石油ショック時、
三菱自動車がクライスラーを救済したことが思い出されます。
今回も日本の自動車メーカー主導の業界再編も
ささやかれていますが、どうなるでしょう。
かめさんとして気になるのは、
ここ10年で米国と日本の株価連動性が
急激に高まっていること。
専門用語では相関係数という数字を使うのですが、
この相関係数が0.2以上上昇しており、
これは昔からの投資理論を
根底から覆すぐらいのインパクトがあります。
昔は米国の株価が下落しても、
日本の株価への影響は今よりはかなり小さかったんですね。
ところが、この10年の相関係数の上昇は
日米運命共同体という表現がぴったり。


この影響は自動車メーカーサイドから見ると、
米国ビックスリー(クライスラーは非上場ですが)の
株価下落が日本メーカーの株価下落をもたらし、
日本メーカーの体力も低下することを意味します。


また、投資家サイドから見ると、
昔は日本と米国の株に分散投資しておけば、
米国の株が下がっても日本の株で取り戻せる確率が
現在より高かったのですが、
今は米国が下がったら日本も下がると思って
差し支えないでしょう。
このため、10年以上前の国際分散投資の理論は
当てはまらなくなっています。


いずれにせよ、原油高が続く限り
GM株の動向からは目が離せませんね。

2008/07/07 MON
数日前の読売新聞の「転ばぬ先に」という連載で、
ある弁護士の方が”資産あるのに「融資だめ」”
というタイトルで、認知症の父親の後見人である息子さんが、
父親名義の自宅を担保に父親名義で
父親の生活費の融資を受けようとして、
公的機関、信託銀行、銀行の3者から
融資を断られた話を憤りを持って書かれていました。
様々な事情から資金を必要とされている方が
困られているのは本当にお気の毒だと思います。
ただし、この弁護士さんをはじめ一般の人たちも含めて、
銀行、特に担保に対する誤解があるように見受けられますので、
元銀行融資担当者として一言書いておきたいと思います。


まず、タイトルにある”資産あるのに「融資だめ」”
という事態は申し訳ありませんが頻繁にあります。
資産=担保と考えて差し支えないと思いますが、
「銀行は融資が滞ったら担保を処分すればいいじゃないか」
という声を聞くことがよくあります。
でも、これが誤解の始まりです。
融資の返済が滞った場合、担保を処分して現金化し、
返済に充当するまでに長い期間と労力と費用がかかります。
担保処分で融資を返済させようとすると、
ほとんどの場合は、
返済不足が生じることになるのが現実です。


また、銀行は融資したお金を返済してもらい、
そのお金をまた別の人に貸して、
お金を回転させて、儲けていきます。
今回のように返済するお金は
最終的に自宅を売却したお金しかないような場合は、
銀行としてはお金が回転せず、避けたいのです。


「ふん、銀行ってやっぱり冷たいんだな」
という声が聞こえてきそうですが、そのとおりだと思います。
今回のケースは詳細が分からないのでうかつなことは言えません。
ただ、言い方は酷ですが、銀行を頼るより公的支援の問題だと思います。


で、読者のみなさんにとって必要なことは、
こういった現実、リスクを直視して老後の準備をしておくこと。
これこそが、連載タイトルにあるように
「転ばぬ先に」ということになると思います。

2008/07/06 SUN
いよいよ明日から洞爺湖サミットですね。
サミットに限らず実質的な話し合いは事務方レベルで
大方終わっているのが、こうした会議の常。
でもそこは痩せても枯れても世界の頂点。
今日はロシアと日本に注目。


1975年第1回サミットの参加国はG7、
アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、
イタリア、カナダ、日本の主要7カ国。
今日の読売によれば、当時の福田赳夫首相
(もちろん、福田康夫現首相のお父さん)は
「出席させてもらっている」という雰囲気だったそうです。
なにせ、始まった当時のサミットは自由主義国陣営が、
ソ連を中心とする共産主義陣営に対抗するための
正に頂上会議、現在と重みが違いました。
その後、日本が経済力を背景に発言力を増し、
ソ連解体、ベルリンの壁崩壊を経て1998年からロシアも
G8の一員として参加するようになり、大きく舞台が回ります。
意外と知られていないことですが、
ソ連崩壊の大きな原因となったのが
1980年代後半の原油価格低迷。
産油国でもあるソ連が原油安により
軍事費調達が厳しくなったんですね、当時。


時は流れて2008年、原油先物市場は連日最高値を更新し、
先週は一時145ドル台を付けました。
ロシアは原油生産量でサウジに次いで世界第二位、
埋蔵量で世界第7位、石油の代替エネルギーとして
需要拡大が確実な天然ガスは
生産量・埋蔵量ともに世界第一位です。
こういった資源の力をバックに発言力を増すロシアに対して、
一人当たりGDPでシンガポールに抜かれ
アジア第二位に転落した日本。
でも、ないものねだりをしていてもしょうがありません。


以前紹介した日本近海の海底に大量に眠る
メタンハイグレードや携帯電話で使われている
レアメタルの再利用など、頭を使えば日本も
まだまだ生きる道はたくさんあるはず。
資源だけが豊かさへの道になるわけでないことは
歴史も教えてくれています。


第三次石油ショックかといわれる今回の原油高騰でも、
日本は前2回の石油ショックで蓄えてきた技術と円高で、
非産油国の中で最もショックが少ない国の一つ。
ピンチはチャンスの始まり、
やり方次第では石油高騰も日本にとってはチャンスかも。
あせらず、じっくり力を蓄えていきましょう、
日本のみなさん=^_^=

2008/07/05 SAT
つれづれ日記に出てくる
「業界地図が一目でわかる本」三笠書房を
初めて読んだのが10年くらい前。
部下の株式担当者から見せてもらったのが最初でした。
この本、業界ごとの資本関係・提携関係などが
一目で分かるのが最大のセールスポイント。
八重洲ブックセンターでも2009年版発売後直後なこともあり、
平台に山積みにされ、人気ぶりがうかがえます。


10年前との変化でもっとも目立つのが、
財閥関係の資料がなくなったこと。
三井と住友が一緒になるなんて・・・
かめさんにとっての戦後三大サプライズ
(他はアポロ11号の月着陸とベルリンの壁崩壊)の一つです。
ちと、大げさか(^^ゞ


その三井住友銀行も、英国バークレイズ銀行に
1千億円の資本参加が報じられましたよね。
みずほも米国投資銀行メリルリンチに1200億円の出資など、
バブル崩壊後久しぶりに邦銀の反攻が目立ちます。
でも、以前ゴールドマンサックスに出資した住友銀行が
その後同じゴールドマンから出資を仰ぐ羽目になるなど、
攻守の切り替えが早いのがこの世界。


サッカーでも「ボールを奪われた瞬間が最大のチャンス」
なんていいます。
ボールを奪った相手は、チャンスとばかりに前がかりになるので、
その瞬間に奪い返すことができれば、
より大きなチャンスになる、との例えです。
きっと、邦銀から出資を受けた外銀も同じことを考えているはず。
三井住友さん、みずほさん、
そして近いうちきっと出てくる三菱UFJさん、
ゆめゆめ油断なさるな=^_^=

2008/07/04 FRI
今日の読売1面トップは年金運用5兆円赤字、の記事。
かめさんの感想は
「そんなたった1年の運用成績でがたがたしなさんな」
です。
150兆円の運用資産のうち90兆円を市場で運用して、
5兆円の赤字なので利回りで6%の赤字。
サブプライムローン問題による株安、円高が直撃した格好です。
でも、このくらいのマイナスはリスク資産に
資金を振り向けているからには当たり前だし、
1円でも資産を減らすのがいやだったら、
全額銀行預金か現金で保有するしかありません。
その代り、昨今の原油高によるインフレがもろに直撃、
目減りしますけどね。


読売、朝日、日経ともに年金の運用方法の見直しを求める声が
一段と高まりそう、との論調。
で、見直しの方向は、リスク資産への投資消極論と積極論の二つ。
かめさんがこれまでこのコラムでもいってきたように、
運用方法に注目するのは大変結構なこと。
でも、年金って、
1年の投資成績で云々というものじゃないですよね。
現に日本の年金運用もまだ7兆円の黒字。


実は年金資産運用の配分は国や運用主体によって、
大きく違い、資産配分に絶対的な正解はありません。
データは手元にないけど、
イギリスは株式への配分が7割を占め、
日本の2割にくらべるとものすごく高かったはず。
かめさんとしては、イギリスは高すぎると思いますが、
日本は現在13.8兆円と運用資産の10%弱の国内株式に
もう少し配分した方が長期的にはプラスだと思います。
いずれにしても1年だけの運用成績で議論するのはあまりに拙速。
せめて10年、できれば20年以上のスパンで議論していきたいもの。
政治家の中にも
「がたがたしなさんな」と一喝できるような人が現れないかしらん。
毎年一喜一憂しすぎると、オオカミ少年になってしまいますぞ=^_^=

2008/07/03 THU
今朝の朝日新聞1面には「サッカー協会次期会長に犬飼氏」の記事。
ところが、読売、日経では
「小倉副会長が後任会長に有力」との報道。
犬飼氏は浦和レッズ興隆の立役者、
片や小倉氏は日韓ワールドカップはじめ
サッカー協会の事務方を支えてきた功労者で、
かめさんのような外部の人間にはどちらが適任か分かりません。


朝日新聞スポーツ面によれば、
理事の投票で最も票を集めたのは唯一の女性理事である綾部さん
(この人はかめさん知らない・・・)という方だったけど、
川淵会長の「犬飼さんがいい」
というツルの一声で犬飼氏に絞られた、とのこと。


上場企業でもかめさんが知る限りでは、
後任社長は現社長の指名で決まることがほとんど。
ただ、サッカー協会の場合はその公益性から、
朝日新聞に書かれているように
「得票数」という客観的な数字を無視して、
川淵会長の独断で決まったような印象を与えるのはどうかな?
と思ってしまいます。


かめさんも若いころ、
「銀行は人が最大の財産、なんていってるけど、
俺達がバランスシート(貸借対照表)に
のっているわけじゃないしな」とか、
同僚と酒を飲みながらくだをまいてたっけ。
その後時価会計が導入されると「俺達は含み損かー」、
退職給付会計では
「俺達は負債になるだけで、資産にはならねーんだ」
とボルテージは上がる一方(^^ゞ
会計に興味のない方には、ちと難しい話かもしれませんが、
いずれも人の価値を客観的な数字で表現するのが
いかに難しいか、つー結論になります。
企業価値を測るのが会計の役目ならば、企業の最大の財産
(とほとんどの経営者や経営学者はおっしゃってます)
である人、HUMANが客観的な数字で表わされず、
帳簿にのっていないのは変じゃない?
という話です。


古典的な経営の三要素「ヒト、モノ、カネ」は
重要度及び評価の難しさの順番でもあります。
このコラムのお題「MONEY」も、それを生み出すのは「HUMAN」。
永遠の課題ではありますが、
これからも「MONEY」を生み出す「HUMAN」について
折に触れて取り上げていきたいと思います。

2008/07/02 WED
今朝のテレビの社会保険改革を取り上げた番組の中で、
ある著名な方の個人的な改革案の一つに
「辣腕ディーラーを雇って、年金資産運用を任せる」
というのがありました。
かめさんも、以前このコラムで年金の資産運用面に注目、
という趣旨で書いたことがありますので、
その点ではこういった意見がでてくるのは大歓迎です。


ただ、かめさん、例え世界一のお金持ち投資家バフェットか、
イングランド銀行に勝ったソロスに
かめさんの年金運用を任せるか?と聞かれても、
ちょっと二の足を踏んでしまいます。
というのも、どんな実績のある投資家でも、あくまでも過去の話。
将来の投資成績を保証するものはなにもありません。
また、どんな優秀なディーラーが分散投資をしても、
やはりディーラーの個性や偏りが出ます。
もちろん、それがプラスとなってハイリターンを
もたらすこともありますが、リスクにもなります。


例えば分散投資に適した投資信託。
かめさんは運用会社も複数に分けています。
どんな優秀なファンドマネージャーがいる運用会社でも、
集中はリスクなのです。
年金資産運用も同じこと。
6月12日のこのコラムで「年金運用にも光を」と題して
日経の大機小機を取り上げましたが、
その時の大機小機で提言していた、
「複数の運用会社に外部委託して運用成績を競わせる」
という考え方こそ、
理にかなったリスク分散投資手法です。

2008/07/01 TUE
今朝のめざましテレビでは、パンの相次ぐ値上げで
お米の消費が伸びていることを特集していました。
大手スーパーによると、ここ数カ月連続で
お米の売り上げが前年比2ケタ増、
お茶漬けの永谷園もお米関連商品が好調とのこと。
ネット上の株式新聞なんかで見ると、
朝食向けの新製品なんかも伸びているけど、
定番の昔ながらのお茶漬けノリが2-4月で
前年比30%増えているあたりが、
お米復権?を思わせます。


かめさんは大のお米党、経済面だけではなく、
健康面、食糧安保面からもお米復権はよいこと、
と思うのですが資産運用から考えるとどうなんでしょう。


まず、四季報、日経会社情報でお米銘柄を調べると、
これが永谷園以外見当たらないんですね。
日本の主食だというのにさびしいんですが、
日本のお米は国内流通が多く、
一般に炊飯というひと手間がかかるために、国際商品の小麦や
食べられる状態で流通できるパンに比べると、
大規模な商業ベースに乗りづらいんでしょうね。


でも、永谷園の株価は緩やかですが上向きで、
アナリストの評価も強気ですが、問題は買いのタイミング。
こういった買い材料がテレビで取り上げられた時は、
もうだいだい終わりです(^^ゞ
買うなら、小麦やパンが値上がりし始めた頃に、
お米復権を連想して買うぐらいでないと、
なかなか勝負には勝てません。
要は相場の半歩前を行く、という奴ですね。
ただし、1歩先を行くとタイミングが早すぎて、
持ちこたえられない、という話もよくありますので、
本当難しいです、相場は(>_<)


こういった買いのタイミングを間違えるリスクを避けるのが
長期投資の考え方です。
リスク分散投資の一種になるんですが、
仮に買いのタイミングが早かったとしても、あわてず騒がず、
のんびり、ゆっくり長期保有することによって、
最後は勝つことができます。
逆に買いのタイミングが遅かったとしても、
次の上昇の波を待つことが可能です。


1日中、パソコンの前で相場とにらめっこしている
デイトレーダーさんやファンドマネージャーさんのように
1分、1秒を争って売買することはフツーの人には無理ですし、
それこそ本業がおろそかになってしまいます(^^ゞ
それよりなら、半歩のタイミングのずれによるリスクが少ない
長期投資がおすすめです。
もちろん、1回に全額買うのではなく、
数回に分けて買うこともお忘れなく。

最後にかめは勝つ、のです=^_^=

2008/06/30 MON
昨日、日本経営教育学会の
第57回全国研究大会に参加してきました。
カバーするエリアが広い学会なので、
どの報告、パネルディスカッションを聴くか迷うところでしたが、
今日はその中から「M&Aの経済効果」の報告について。


M&Aというのは企業の合併や買収を指しますが、
このコラムでも再三取り上げている
モノ言う株主が得意とする分野です。
昨日の報告はアメリカの先行研究を中心とする内容で、
時間の関係から日本の現状があまり語られなかったことは
残念でしたが、かめさんとしては歴史的、学術的な背景を
知ることができ大きな収穫。
かめさんのような実務家はとかく、
こういった学術的な研究を軽視しがちで、
かめさんも反省しなければならないところです。


かめさんは修士論文で時価会計を書きましたが、
これはファンドマネージャーとして実務に精通していた分野。
ところが、論文における結論は
実務家時代の考えとは180度反対の時価会計反対論。
この結論の是非はさておき、
そのくらい、大学院での研究は濃密で意味あるものでしたし、
学問をすることの大切さを改めて認識したものでした。


「モノ言う株主」論についても、学術的な面から見ていけば、
実務家とはまた違った面も見えてくるはず。
こういった面もできる皆さんに伝えていこう、
と決意させてくれた昨日の学会でした。

2008/06/29 SUN
昨日のこのコラムで
「仮に第三次石油ショックになれば、日本人の英知が試される」
と書きましたが、今朝の日経で阿部スパークス・グループ社長が、
「原油高は日本企業再評価の好機」との意見を寄せていました。
米国で燃費に優れた日本車の販売が伸び、シェア4割近くに。
海外賃金や海上運賃の高騰から生産の日本回帰もあり得る、
としています。


確かに日本の省エネ技術は第二次石油ショックを
乗り切ったころから世界トップクラスと言われてきました。
エコファンドやエコ投信といった投資対象も増加し、
これも今朝に日経によれば、
環境銘柄の株価水準は市場平均を上回る、とのこと。
ま、「省エネ」というと年がばれるんで、
「ECO(エコ)」の方が流行りの半纏ですか(^^ゞ


石油の世紀といわれた20世紀に対して
21世紀は環境の世紀といわれるます。
こういった時代の流れをよむのも大切。
情報も例えばかめさん1か月くらい前に
「賃金は世界的に落ちついている」と書きましたが、
今日の朝刊では、急激な原油高を受けて
ドイツでは賃金上昇が目立ってきた、とのニュースも。
今年4月に出版された石油関係の経済書を読んでいても、
その古さが目につくほど、特に原油関連の動きは急です。


でも、最も大事なのは最新情勢にアンテナを高くしながら、
逆に22世紀まで評価されるような投資対象を
考えていくことではないでしょうか。
リスク分散投資の一環である長期投資は
企業価値を見極める目が求められますが、
かめさんも勉強を重ねてみなさんに紹介していきたいと思います。

2008/06/28 SAT
ニューヨークの原油先物価格が140ドルを超え、
ガソリン価格も来月から180円とのこと。
いやなっちゃいますね。


かめさんはこのコラムで、
「この原油価格は投機によるものでバブル、
でもいつになったらバブルがはじけるか分からない」
と何度か書いてきました。
例えば、ニューヨークの原油先物市場参加者のうち
石油生産者や精製業者のような石油企業の割合は半分以下で、
ファンドと称する投機家の割合が高まっています。
で、このファンドがくせもの。
最近はやりの政府系ファンド、
特に産油国のファンドがかなり入っているのは想像できますが、
実態はなかなかつかみづらいようです。
でも、原油高で潤ったオイルマネーが原油先物市場につぎ込まれ、
さらに原油価格が上がってオイルマネーがさらに膨らむ
といったシナリオは誰でも想像できちゃいますよね。
フー(^^ゞ


日本はじめ先進国諸国は、70年代の二度にわたるオイルショックを
省エネや北海油田などの新しい油田開発で乗り切りました。
でも、いづれも価格が落ち着くまでに5年くらいかかっています。
今回仮に第三次オイルショックと呼ばれるようなことになれば、
ハイブリッドカー(エネルギーの半分が非ガソリン)や電気・燃料電池自動車、
日本周辺の海底に大量に眠るメタンハイドレードという
非石油系資源の活用が期待されます。
でも、ある程度の時間が必要。
バブルがはじけるのをただ待つのではなく、
三度日本人の英知が試される時かもしれません。

2008/06/27 FRI
新聞各紙が来年からの東京電力の値上げを報じています。
もちろん原因は原油高。
日銀をはじめ世界各国の通貨当局は
インフレを抑えるため金利を上げたいところですが、
サブプライムローン問題の影響もあり
金利上昇は景気の足を引っ張るだけに、
簡単に利上げとはいかず、
難しいかじ取りを迫られています。
このため、インフレと不況を同時に招く
スタグフレーションが心配されています。


二度のオイルショックがあった1970年代。
今回も約30年ぶりに第三次オイルショックか?
という見出しも目にするようになりました。
二度のオイルショックがバブルに終わったように、
今回の原油高騰もバブルとかめさんは思っています。
でも、様々な思惑から長期化すれば
生活への影響は間違いありません。


1970年代を資産運用の面で振り返ると、
二度のオイルショックからインフレリスクが
クローズアップされた10年でした。
インフレ対策で預金金利は上昇したのですが、
インフレ率は預金金利を上回り、
預金は大きく目減してしまいました。
とはいえ、1990年代の日本のように株価が大きく下落し、
預金の方がよかったということもありますので
話はそんなに単純ではありません。
ただし、第二次世界大戦終結以来の長い期間で見ると、
全ての先進国で株の運用益が預金金利を大きく上回っています。
上手にリスクを分散していけば、
株に勝る運用はなかなかありません。
簡単ではありませんが、
あせらず、しっかり勉強していきましょう=^_^=

2008/06/26 THU
今朝の日経によれば消費者金融大手のアイフル、武富士が
上場来安値を更新、アイフルの資金繰り不安まで報道されています。
ご存じのとおり、出資法上はOKだけど利息制限法上NG
という灰色金利が2009年末までに廃止され、
過去の取りすぎ利息の返還請求で消費者金融各社は青息吐息っす。
シティもディックという消費者金融会社の売却がうまくいかず、
日本の消費者金融からの撤退を発表したばかりですしね。


正直日本では消費者金融の評判は芳しくないです。
Jリーグでもパチンコ業界などと並んで、スポンサーとしては
好ましくない業種の一つになっていたはずですし。
ただ、良し悪しは別にしてニーズは大きいと思うんですけどね。
かめさんが銀行で融資の窓口をやっていたころ、
住宅ローン以外の個人ローンの審査は、原則として、
年収や返済金額の割合、延滞歴などを点数化した
スコアリングシートでやっていました。
で、仮に融資可能の点数が60点以上だとすると、
58点、59点とかで融資できない人が結構いるわけですよ。
そういった人たちがどうしてもお金を借りたい、
となるといきなり金利が10%以上も高い
消費者金融に行かざるを得ないわけですね。
銀行と消費者金融の中間が
すっぽり抜け落ちちゃっているのが日本の現状です。


別の意味で今話題のサブプライムローン。
新聞とかでは米国の低所得者向け住宅ローンと書かれていますが、
より正確には、上の例でいくと、58点、59点で
銀行でローンを組めなかった人たち向けのローン全般のこと。
ただ日本と違うのはいきなり銀行ローン+10%といった高金利ではなく、
2〜4%の上乗せ金利が適用されるそうです
(倉橋透・小林正宏,「サブプライム問題の正しい考え方」中公新書)。
もちろん、審査姿勢なんかに問題があったから、
今世界中を騒がせているんですが、
日本においてもニーズが大きいことは間違いないでしょう。


かめさんと同じことを考えている投資家が多いのか、
同じ消費者金融でもプロミス、アコムといった銀行系の株価は堅調。
心理的に嫌われやすい業種だけに、
銘柄選択を間違えなければ逆に今が買い時、
意外とおいしい業種かなと思っています。

2008/06/25 WED
今朝の日経によると、上場企業が税負担や為替リスクを
回避するために、海外で稼いだ外貨を国内に持ち込まず、
外貨のまま運用・再投資するケースが増えているそうです。
上場企業全体で海外売上比率が3割、
製造業に限ると5割近くになるんですから当然の戦略っすよね。


これを個人に置き換えると、海外に外貨建口座を作って、
その口座で決済するクレジットカードを使って
海外で買い物をする、なんていう方法が幸田真音さんの
小説「タックスシェルター」に紹介されていましたね。
まあ、脱税の温床になりやすいんですが・・・・(^^ゞ


あとは、パーマネントトラベラー(永久旅行者)といって、
住むための税金の安い国、投資するための税金が安い国、
事業をするための税金が安い国、遊ぶための税金が安い国などを
時と場合によって渡り歩く、なんてことも考えられますよね。
ただし、お金がかかるのが最大の難点(^^ゞ
サッカーの中田英寿氏なんかは可能なんでしょうけどね。


我々フツーの人は国際分散投資をしている企業に投資するのが、
手軽で、安上がりな国際分散投資ですね=^_^=

2008/06/24 TUE
昨日のこのコラムで取り上げたBRICs企業の時価総額上昇。
でも、今日の日経を読むと、
少なくともロシアで潤っているのは民間以上に”官”。
モスクワにオープンした高級日本料理店で二貫3千円前後する
日本直送のネタで寿司を楽しむのは大半がお役人。
この1年間の給料の伸びは民間が17%に対して公務員は30%。
何よりも公務員の数がプーチン政権の8年間で
116万人から162万人に増加とは・・・(^^ゞ
日本でいえば親方日の丸ですが、
中国では「鉄の鍋」というそうで、
よく感じがでていますよね。


でも日本もロシアのことを笑っている場合じゃないです。
先日のこのコラムでもFX(外為証拠金取引)を
中国のように当局が規制するのは?と書きましたが、
そのほかにも建築基準法改正による工事着工件数の激減や
金融商品取引法施行による投資信託販売の低迷とか、
この手の話は枚挙に暇がないっす。


フルフォードさんという日本在住のカナダ人が書いた
『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日』では、
「日本は北朝鮮と並ぶ地球上に最後に残された社会主義国家」
とまで書かれています。
北朝鮮以外にも社会主義国家はあるような気はしますが、
フルフォードさんの目からは日本の官僚組織が
それだけ強大に映っているのでしょう。
何か事件があるとすぐ「国が」「お役所が」
という発言も気になります。
もちろん”官”でなければできないこともありますし、
”官”に任せた方が効率が良いこともあります。
でも行きすぎると、中国やロシアのような
官僚国家になってしまいます。


おりしも日本郵政を始めとした
政府保有株売却の日程が俎上に上っています。
各メディアでは株価の下落材料になると
悲観的な見方がされていますが、
かめさんは長い目では日本経済にプラスに働くと思っています。
1987年に119万7千円で売り出され、
現在50万円前後のNTT株の例を持ち出すまでもなく、
”官”の仕事を民間のモノサシで測るとどうなるか?
こうしたシビアな評価が脱「鉄の鍋」につながる、
と期待するかめさんでした。

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6359-4979
090-3540-4179

かめさんのつれづれなるまMONEYのホームページです。

株式会社かめや投資経済研究所では、いずれの金融機関からも独立した独自の視点でのんびり、ゆっくり行く長期分散投資のノウハウを、金融工学やデリバティブの視点も交えて、分かりやすくお伝えしています。

日記・コラムは、マネー情報を中心とした「MONEY DIARY」とプライベートを中心とした「つれづれ日記」の二本立て。株、債券、為替、不動産、金、オルタナティブ、投資信託など資産運用の参考にするも良し、食う、蹴る、読む情報などから、かめさんになじむも良し。ご質問、ご意見、ご感想いつでも大歓迎です。

どうぞ気軽にお立ち寄りください=^_^=

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-6359-4979
090-3540-4179

株式会社かめや
投資経済研究所

住所

東京都江東区